2012年 04月 24日
昔の記憶
初めて北海道に行ったのは 高校1年の夏休みだった。
友人3人で横浜から青森までは寝台列車、青函連絡船で函館へ、
そこから蒸気機関車に乗って網走まで。
カーブやトンネルでは窓から煙がもろに入り網走に着く頃は顔や白いシャツに煤が付き真っ黒だった。
網走からはバスに乗り知床へ。 ウトロから羅臼までは森繁の知床旅情が流れる遊覧船に揺られて。
根室では民家の軒先でカニを食べさせていたので洗面器一杯に盛られたタラバを
庭先の縁台に座って食べた。
納沙布岬では北方4島を眺め、襟裳岬へも行ったが何も無かった。
支笏湖では女子大生のオネーサンと仲良くなり、夜のフォークダンスでは一緒に踊った。
そして函館の夜景を見て帰途につく。
10日程の旅であったが国鉄の周遊券を使い、泊まりはユースホステルだったので
旅費はそんなにかからない。 ユースホステルも素泊まり一泊、数百円だった。
ラーメン一杯100円の時代である。
あのとき持って行ったカメラはキャノンデミだったかな。
出来上がった写真をおふくろに見せたら、
「景色ばっかりじゃないの、人は写ってないの?」
そういわれてみりゃ、そうだ。 人は殆ど写さなかった。
写っているのは建物、木や林や森、そして海と空。
一緒に行った友人達の写真も100枚近くあるプリントの中に数枚あるだけで、
自分の顔も写っていない。
そんな写真を 写真の整理箱の中でたまに目にするのだが、
単なる記録で、そこからは思い出は浮かばない。
思い出は記憶の中にある。
by marierit
| 2012-04-24 11:22
| NEX-7